道なりに歩いている時、ナギがぼそりと言った。


「どうするんだ?これから・・」


「え?」


「センリがいるんだ。センリをどうするかだよ」


そんなのちっとも考えてない。

センリをどうこうする?

考えられない。


でもギンはきっと、センリをとてつもなく憎んでるんじゃないかな?


ギンの様子が気になってちらりと顔を覗き込む。


「ギン・・?」


「・・・・」


と、とてつもなく怒ってます。

目が充血して、眉間のしわも相当深くて。

これじゃセンリの顔を見たらすぐに殴りにかかる感じだ。


「あいつを殺さねぇと気がすまねぇ・・」


ドキン


「え・・・」


そう呟いたギンの声を、私は聞き逃さなかった。


「こ、殺し合いは駄目よ!警察とか、そういうのに引き渡そう?」


「あいつは王の側近だ。いくらでも金で釈放されるんだよ。大体、俺達とあいつと警察はどっちを信じるかな」


「え・・あ・・」


「後でまたセンリに狙われるぞ俺達」


口調も更に冷たく、低い声。

身震いがするほど怖かった。


「でも・・でも私、ギンに人殺しになってもらいたくない。絶対に嫌だ」


「ヒオリ、これはしょうがねえんだよ。あいつは5歳の時から俺を裏切ってたんだからな」


「・・ギン」


「ぜってぇ・・許せねえ」


それを言われたら、黙るしかない。


でも。それでも嫌だと私の心は言っていた。


ナギが指をさす。


「もう着くぜ」