センリはあっけなく捕まった。

兵士達もだ。

いかに西の国精鋭兵であろうとも、予測できない襲撃だった。

ヘビの毒にやられしびれて苦しんでいる。

センリはロープでしっかりと巻かれ意識はあったようだが、クレハちゃんの猫パンチは相当威力があった様だ。

まだ夢の世界から戻ってきてないらしい。



「カサネさん!!!」


私は思わずテントから飛び出した。

急いで倒れているカサネさんを抱き上げた。


「カサネさん!カサネさん!!」


私の声にカサネさんはゆっくりと顔を上げた。


「あ、ヒオリん・・だ」

「うん・・ごめ・・カサネさんん・・うぅ」


涙で顔が見えない。


「すぐに助けるからね!」


「ええ、ありがとう・・」


と言ってカサネさんは気を失った。



「ヒオリこれを!!」


クレハちゃんが駆け付けてくれて、救急箱から止血用の包帯をなどを取り出す。


「何か所刺されたのかしら・・出血が酷いわ!ショックで死んでしまう。すぐに病院に運びましょう!」


「うん!」



すぐにアサギさんが気をきかせてくれる。


「この男は私とツカサが見ているから、早く行け。ギンもナギも・・知り合いなんだろう?」


「ああ」

「すまねえ!」


ギンとナギもすぐに駆けつけ、巨大な鳥に変身した。


「ヒオリ、縄で俺にカサネをくくりつけろ」


「はい!」


「飛んだ方が早い」


「そうね、ナギ君私を乗せて。病院まで先導するから」


「ああ!」



クレハちゃんはナギの背中に乗った。


「ツムギはヒオリと後から来て」


「ええ!」


「お願いします!!」



私は必死にお願いし、ツムギさんと一緒に走った。




カサネさんはもとはと言えば私が王に捕まったから関わってしまったんだ!

関係なかったのに!!

私の責任だ!!!

ごめん!ごめんねカサネさん!!!



涙を拭って懸命に走った。