ギンの声が更に低く部屋に響く。


「弱肉強食は世の常なんだがな。王が一番偉いし力を持っている。平民は従うしかない。生きていく為には」


「聞きたくないー」


耳を塞ごうとしたが、センリに手を掴まれた。


「お前はこの時代の人間じゃない。だから正直あわれ過ぎて涙もでない」


出ないんかい!

とツッコミたい。

話を広げたくないが私にも知りたい事も山ほどある。

青ざめた顔で私は聞いた。


「あ、あの・・・でも、町とか村とかもあるんだよね?女性が一人もいないって事はないでしょ?
王様だけじゃないでしょ?女性と一緒にいられるのは」


「5年前まではそうだったな。街にはある程度女もいて、結婚も許されてたやつもいる」


「だがある日条例が変わって、街の女性は城に奉公に出されたんだ」


「奉公って・・大奥じゃないんだから」



江戸時代みたいじゃん・・子供が出来ない殿様の為に側室を沢山侍らせて。


センリは顎に手を添えながら何か思いふけっている様だ。


「なかなか女性が生まれなくなって厳しくなったそうだ。だから徴収された・・と。」


「えええ・・なんで?」


「それは色々説があるんだけどな」



何日かかるんだこの恐ろしい話は。

元から不眠症だけど、今後一睡もできる気がしない。