テントが揺れ、ツカサさんとクレハちゃんが外へ出た。

ツカサさんは周りを見渡すと、驚いた演技で兵の人数などを確認した。

兵はざっと20名といったところ。みな変身していて大きな体系の兵士達ばかりだ。

屈強そうな虎や熊など猛獣系が多い。

太刀打ちできそうもない。




センリは眉をしかめ、ツカサさんを睨んだ。


「お前は・・?」


「何か勘違いをしているみたいなので出てきました。ココは俺と彼女の隠れ家的な場所なんですけど・・ヒオリって誰ですか?」


敬語で下手に出てみた。


「・・・ヒオリと同じ言葉だと?」


センリは一瞬でツカサさんの言葉の違和感を感じとった。
そして

「お前、このスマホの持ち主か」


とセンリはポケットからスマホを取り出した。


「え?俺の・・?」


「一年前に西の国で拾った。俺にはお前の言葉がわかる。だが変だな?お前も俺の言葉がわかる様だが」


「まあ、いろいろとあったからな。この一年間死に物狂いで勉強したよ」


センリの顔を見て、つつ、と額から汗がにじんだ。

一筋縄ではいきそうもない事をツカサさんは悟る。


「でも?どうしてここへ?俺に会いに来たわけじゃなさそうだけど」


「探知機で調べただけだ。ここにヒオリがいると」



全員センリの言葉に首を傾げる。

おかしい、探知機は昨日壊したハズなのに。



「その探知機とやら壊れてるんじゃないのか?」


「いいや、間違いはない。ヒオリの腕輪についているのを辿ってきたからな」




ドキン!!!


な、なんですって!!????


その言葉に私とギンとナギは、私の腕についている腕輪を凝視した。

これ!?


出会って間もなくセンリがプレゼントしてくれた腕輪型翻訳機の事だ。


「あいつ・・始めから・・くそ」


ギンは怒り狂って腕輪を壊しそうになったが、これがないと会話がわからない。

無くなっても困る。

私は慌てて首を横に振った。


「ギン駄目だよっやめて」


「ちくしょう・・」