慣れたようにギンはテキパキと指示を出す。

「で、これからだが・・交替でツムギの家を監視に行くのがいいと思う」


「うん」


「使う様で悪いんだけどな、俺達は顔がバレてるからツムギたちにお願いしたい」


「それは構わないわ。力になれるなら本望よ」


と4人は頷く。

確かにツムギさん達なら怪しまれることはないだろう。

アサギが一歩前へ出る。その凛々しい姿は私も惚れ惚れする。


「もしセンリという男が捕まえられそうなら、やってもいいのか?」


「それは構わない。けど無茶すんな。必ず隊を連れてくるはずだ」


「わかった」


「何かあったら俺達も出る」


ギンとナギも頷く。


私はドキドキおろおろしか出来ない。

なんの力にもなれない事が悔しい。

武術もないし、頭も良くないし。


と強張った顔してると、ナギが頬をつんと突いてきた。


「ヒオリは身を隠す事が優先だぞ。見つかったらまた王のとこに連れて行かれるんだからな」


「うん、それだけは嫌だ」


きっとまた薬を飲まされる。

王の思い通りにはなりたくない。

悪い人じゃなかったけど、でも知っていたんだ。

薬の事。


私はギュッと拳を掴んで自分を抑えた。


もう二度と、自分を忘れたりしたくない。