「あ、ヒオリ一億持ってるじゃん」


「え?そんな大金・・」


とナギに言われ思い出す。


バッグの中に詰め込んだ結婚式の和装だ。


「確かに高価だけど、売るわけには・・」


「え?なんで一億?」


「・・無理やり婚儀をさせられたので。その時の和服が」


「ああ、なるほどね」


「見たいみたい!」


とクレハちゃんは目を輝かせている。


「いいけど」


と私はバッグの中の和服を取り出す。


「ちょっと待て、おい」


無造作に入れられ、しわしわになった和服の襟をギンは確認する。


「お前、これ・・・探知機ついてるじゃねーか」

「えええ!?」

「マジかよ」


焦るギン。

驚く全員。



襟の部分に小さなチップが付いていた。


「くそ・・気が付かなかった」


「どどどど、どうしよう!?センリと王様ここに来ちゃう?」


「もしかしたらな」


「えええっ」


流石に慌てふためく。


どうしよう!?