「ちょっと待てごらあああっ!!!」


バリーンッ!!!


「な、ナギ・・」


まさかの窓から侵入。

しかも割ったよ。人んちの窓を。


田舎のヤンキーか。


「ち、酒でも飲ませときゃよかった」


「てめ、ふざけんなよギン!」



ナギのバックに『ゴゴゴゴ』が見える気がする。

錯覚だけども。



「俺の方がヒオリを何千倍も好きだって言ってんだろ!!」


「俺はその先をいってるけどな」


「あんだと!?」


「ちょちょちょちょ・・待って!!!近所迷惑だし、ここツムギさんちだし!!」


私は慌てて二人の間を割った。


ナギは私の腕を掴んで離さない。

そして自分の胸に抱き寄せる。

「ひゃっ」


「ヒオリ、先に俺に言え」


「へ?」


「好きって俺に言え!!!」


な、なんですと!?


「ばっか。ヒオリは俺が好きなんだよ。さっき言いかけてたし」


「は!?」


「違う、それは姑息な手段だ。俺は知ってるお前が汚ねえヤツだって」


「あんだとクソガキ」


い、いつものパターンですか。

もう・・

困ったな。



「もう、やめよう?マジで会話筒抜けだよ。恥ずかしいよっ」


「この場は引けねえ」


「そうだ。決着を付けようぜ」


「だから~~~もう~~~~どっちも嫌いってことでいい!?」


「うぐ・・」

「な・・」


二人はそれを聞いて大人しくなった。

単純なヤツらだ。


「ナギ、どうやって弁償する気!?」


しゅん。

と身をすくませるナギ。


「ギンはナギの保護者なんだからね!?責任とってね!」


しゅん。
と同じようにギンも身をすくませた。