ギンはこんな私にきっと驚いて目を丸くしている。

呆れてるハズだ。


「私・・変だね・・お願いだから一人にして」


ギンから離れようとしたが、ギンは私の腕をもう一度掴むと自分の胸に抱き込んだ。


「ギ・・んっ」


そして無理矢理キスしてきた。

力強く。噛みつくように。


「っ・・・はっ・・」


息が出来ないくらい激しい。


「ギンっ・・くるし・・」


苦しくて、必死に抵抗するとギンと目が合った。

凄く真剣な顔してる。ちょっとだけ目が潤んでいる様に見えた。



「・・嬉しくて・・死にそうなんだけど」


「ぇ・・・?」


ギンは私の手を自分の胸につけて確認させてきた。

バクバクバクバク

と心臓がエンジン全開。

なんで?

目を丸くしていると、ギンは額にキスを落とした。


「お前がそんな風に思ってくれて、死ぬほど嬉しいって言ってんの」


「ギン・・」


「俺はお前が好きだよ、ずっと前から」



そう言われ、私の心臓も同じくらい鳴っている。

胸が苦しい。


「ずっとセンリに嫉妬してたんだぜ?こっちは」

「ぁ・・」

「お前の目が・・センリを見る目がキラキラしてて・・なんで俺じゃねーんだよっていつも不貞腐れて」


そうだ。

いつもこんな気持ちにさせていたんだ。

心がすさんでいく事を目の前で毎日。


「今に見てろよって思って・・お前を助けて。だから」


ぎゅっ

と力強く抱きしめられる。

いつもなら絶対に嫌なのに。

今日は嬉しいとさえ感じてしまった。

最低な私。



「ごめ・・やっぱ最低だ私」

「最低じゃねえよ。いいんだよこれで」

「でもズルい・・」

「ズルくていい。俺は今幸せなんだよ」



幸せ・・。

見上げると、凄く嬉しそうにしてる。

キラキラしてるよ。


「なぁ?俺の事嫌い?」

「え!?それ前にも聞いてきたよね?」

「嫌い?」

「嫌いじゃない・・」

「好き?」


誘導尋問だ。

めっちゃズルいなギン。

でも今の気持ちは・・。


「す・・・」