「ば、馬鹿なの?何言ってるかわかんない」

「ヒオリ・・」


うわ。

涙零れちゃったよ。恥ずかしい。

最低最悪。

ギンに一体どんな目で見られているんだろう。怖い。

私はすぐに部屋を出ようとした。

いますぐに逃げたかった。


「待てよ」

「いやっ!離してっ」


ギンの大きな手は私の腕を掴んで離さない。


「わ、私・・私も帰る」


「え?」


「私もツカサさんと元の時代に帰る・・こんな・・醜い自分嫌だ」


「何言ってんだよ」


とにかく逃げたかった。

醜い自分の気持ちを見せたくなかった。



「離して!!」


今までで一番の拒否。


ギンはその声を聞いて手を放した。

でも、扉は手でしっかりと抑えてる。

私が部屋から逃げ出さない様に。

誰にも入らせない様に。



「何言ってんだお前、ツカサに何か言われたのか?」

「違う!」

「そうとしか思えない」

「違うよ・・私は・・」

「じゃあ何なんだよ!」

「私はセンリが好きだった。なのに・・なんでギンとナギが他の人と話してるのに嫉妬するの?おかしいよ」

「・・・」

「独り占めしたいなんて・・ズルい気持ち・・汚い気持ちは消したいの!こんな自分が嫌いなの!」


まるで駄々をこねるお子様の様だ。

言ってしまった。

ぶちまけてしまった。

醜い心をさらしてしまった。

史上最低の私を。