「ヒオリ、外に興味を示すのは別にかまわないんだけど、守って欲しい事がある」


突然子供に諭すような口調でセンリは言った。


「ヒオリはまだこの世界の事や・・この時代の状況がわかってないし。一人で動くのは危険だから」


「あ・・はい。すみません」


プチお説教だ、恐らく。玄関から出て行こうとしたからね。

私は観念して首を下げる。きっと心配してくれてるんだ。


「ましてやこの時代の人間じゃないなんて知られたら」


「え?やっぱりマズイの?」


「マズイな」


拍車をかける様にギンが唸った。

二人の顔はとても険しい。



やっぱ殺される系なのかしら・・。こわっ


ドクドクドク


急に動悸がしてきた。


「脅すわけじゃないけど、受け止めてほしい。この時代の状況を」


「うん。でも本を読んだだけじゃ、いまいちよくわからなかったんだけど・・」


「そうだな・・座って。話すから。仕事に戻らないといけないし・・ちょっとだけ」


センリは時計を見ると椅子に座る。

私もそれに従った。