「ナギ体は痛む?あ、ご飯持ってくるの忘れちゃったね。バタバタしててごめん」


とナギの方へ近づくと顔を背けられた。


「いらない・・体も痛い・・」


「え・・でもちょっとでも食べないと良くならないよ」


「いらない」


ワガママBOYめ。


「わかった。寝てて、一応持ってくるから食べたくなったらその時食べてよ」



とドアへ向かおうとしたが、ナギの手が私の腕を掴む。


「どど、どうした?」


「行くな・・もう・・何処にも」


「え?ちょっとキッチンに・・」


「違う。行かないで欲しい」



真っ直ぐな目は私を貫く。


「ナギ、あの人達とはなんの関係もないんだってば。知ってることを教えただけ。これからずっと一緒って訳でもないし」


「・・・嫌な予感がする・・」


ドキン



ナギの予感は的中する。

センリの事も当たってたし。

だけど、本当に私たちとは関係ないんだ。


「いつからそんなに甘えん坊になったのかな?ナギ君は。出会った頃は真逆だったのに」


「お前のせい」

「えっ」



ドキドキッ

腕をギュッと強く掴まれ、胸が鳴った。


だが私の表情を見て、諦めたように手を放した。


「・・・もういいよ。わかったよ。どうせ俺の気持ちなんて受け取る気ないってわかってるし」


「へ・・」


ちょっとなんでそんな事言う?

まるであの時のギンみたいに。

私は恋してる余裕なんかないんだってのに。

というか、センリに裏切られてうんざりなのに。




「他の女にしようかな」


「な、なんてことを」


「近くに3人もいるんだぜ?一人くらいイケるだろ」


とワザと私を挑発している様だった。



「か、勝手にしたら?その方がいいかも!でもあの3人はツカサさんにぞっこんだったみたいだけどね」


「女の心なんて、移りやすいだろ」



し、失礼なやつ。

一瞬で私は火がついた。



「もう知らない!」


私は逆切れの様に部屋を出て行った。


「・・・ばかヒオリ」


それを見てナギはまた不貞腐れてベッドに潜った。