「と、いう訳だ。ヒオリも具合悪いみたいだし、休ませてもらってもいいか?」


とギンは私に気を使ってくれた様だ。


「ええ、もちろん。ありがとう教えてくれて・・光が見えたわ」


「ああ。本当に・・」


「嬉しいね!ツカサ」


「ああ」



そうだろう。今まで誰が自分を呼んだのかさえ知らずに彷徨い続けていたんだもんね。

でも正直、複雑だ。

センリにこの人達がかなう気がしないから。







私はギンに連れられて客室に戻った。


「ナギ?」


「・・」



ナギは不貞腐れながらベッドに横たわっている。


「なんだよ、終わったのかよ」


「うん。ギンが話してくれた」


「そう・・」


「ナギ、あの人達と私たちは関係ないよ。だから思い詰めないで」


「・・・ん」



そうだよ。私達は私達だからね。

焦る必要はない。



「俺、出かけてくるわ」


「え!?何処に!?」


突然のギンの行動。今ギンが居なくなるとかなり不安だ。



「イタルに連絡しようと思ってな」


「イタル?」


「ああ、俺の仕事仲間。カサネの事も気になるし、郵便出してくる。すぐに戻るからそんな顔すんな」


「わかった」


そうだ。

まだ安心しちゃダメだ。

カサネさんの安否がわからないんだから。