「そのセンリって男はどんな男だ?特徴は?」


「特徴かぁ・・・」



ギンはポリポリと頭をかき言葉をつまらせた。

何年も一緒に住んでてちっとも特徴が出てこない。

一緒に住んでたから逆にか。


と困った顔をギンはしていた。


私は胸の痛みと戦いながらも、どうにか教えたかった。


「あの・・冷静で・・しっかりしてて・・考古学者なんです」


「考古学者・・なるほど、それなら過去にも詳しいな」


「ヒオリ無理すんな」


とギンは私の頭を撫でてくれた。


「センリはこいつを攫って、王の妃にしようと企んでる。無理矢理な」


「え!?」


それには4人も驚き私を食い入るように凝視する。


「だから、逃げてきたんだここへ」


「そうだったの・・」



ツムギさんの言葉が刺さる。

憐れんでくれてるのはわかるけど、それが痛かった。


「西の国の兵力は凄い。東も領土にしたとなると・・真向からなんてとてもじゃないが行けないぞ」


「確かにな」


それにはアサギも頷いている。


「何か作戦を立てないと」


と真剣に皆考え始まった。


「俺達が協力できるのはここまで。俺達は捕まるわけには行かないんだ。ヒオリの為にも。だから絶対お前らに協力は出来ない」


「近づいたら囚われるか・・」


「ヒオリはそれでいいのか?」


「え?」


ツカサさんが私に対して思ってくれたのだろう。


「君は帰れなくていいの?この時代で生きていくの?」


「そ、それは・・」



帰れることなら帰りたい。

だって何百倍も平和だもん。逃げる生活なんてしなくていいし。

でも。


さっきのナギの顔見たら・・決断なんて自分じゃ出来ない。



「わかりません・・でも・・ツカサさんは帰りたいんですよね?」


「ああ、帰りたいな。やり残したことがあっちにあるから」


そうか、そうだよね。

普通はそうだ。


私はそれを聞いた後に、ギンの袖をぎゅっと握ってしまった。