私の答えはすぐに出た。


「ギン、ナギ。ちゃんと話してあげよう?」


「おい・・」


「だって、あの人は帰れるって信じてるんだよ?もし可能性があるんだったら」


ギンの顔はとても険しい。

すごく怖い。めっちゃ怖い。


「とてつもない事だぞ?王のトキワとセンリに喧嘩売ろうとしてるって事だろ?」


「あ・・」


確かにそれは凄い。

これを話したらこの人達は西の国に飛び込んでいくだろう。

そこで命を落としかねない。



「ど、どうしよう・・」


ギンに言われ、思いとどまる。

人の命に関わるということを、ギンは教えてくれている。


「俺は・・嫌だ」


「ナギ・・」


「お前も・・帰りたいって思うんだろ。そんなの一番いやだ」


その直球に私はすぐに答えてあげられなかった。


確かに帰れるってわかったら・・私は帰りたいと思うだろう。

きっと思ってしまう。

平和だった2018年に。


「ナギ・・」


「嫌だ!」


ナギは部屋から飛び出した。


「ナギ!」


「ほっとけ、どこにも行けないんだから。あいつはお前の傍を離れない」


「・・・ぅん」



曇った表情の私とギンを、遠くから見ているのは4人。

教えてくれることをきっと期待している。

少しの手がかりでも。