「それなら話は早いね!まさか同じ境遇の人に出会えるなんて!!」

「そうだな。奇跡だな」


アサギさんはおもむろにツカサさんの後ろに立つ。


「このツカサを過去へ帰したい。そのためには時空転送の装置を探さなくてはならない」


「時空・・」


センリが言っていたやつ!?


「去年からずっとそれを求めていたんだが、全くどこにあるのか手がかりさえもつかめず今に至る」


「だから他国から来る観光客を呼び止めては、話を聞かせて頂いたんです。少しでも情報が知りたくて」


とツムギさんが本心を打ち明けてくれた。


「なるほどな」


とギンが不愛想に口を開いた。アサギさんの武器が気に入らないらしい。


「だがなんでその為にお前は武器を持つ必要がある?まさか手がかりさえあれば乗り込むつもりだったとか?」


「その通りだよ。私は女として機能出来ないと返された女。ならば、誰かの役に立つのが生きがいってもんだろう」


とアサギさんはツカサさんを後ろから抱きしめた。

ワザと見せつける様に。


「ちょ、やめろよ」


ボインが当たってますもんね。


「私もツカサ好き~」


クレハさんも負けじとツカサさんに抱き着く。


ツムギさんはそれを見て不機嫌になる。


「私だって、役に立ちたくて毎日頑張ってるんだからねツカサ」


「わ、わかってるって」


なるほど。

私はピカンと閃く。


昨日ツムギさんが言っていた訳アリとは、ツカサさんをめぐって取り合い状態って事なのね。
そして、私に囁いたことは事実だったんだ。

この世界の人じゃないって。

それにしてもモテモテですね、ツカサさん。

ギンには羨ましい状況だな。ぷぷぷ。