コンコン・・


「失礼いたします。・・あら?」


ツムギさんは私の姿を見て固まった。


「もしかしてギンさんの方でした?」


「ち、違うんです・・捕まってるんです。解けなくて。寝ぼけてるんですこの人」



と、どうあがいても動けない私は口で弁解するしかなかった。



「フフフ、そうですか。見なかった事にしておきますね」


「いや、助けて欲しいです」


「それはできませんので」



いや、無理やりに引きはがして欲しいです。

本当です。

息が上手く出来ないの。


「食事を作りましたので、皆さんが起きたらダイニングへ来てくださいね」


と無慈悲にも部屋から出て行った。


うっそー。

優しくない。ツムギさん。


救世主ではなかったらしい。