私はセンリと一緒に家の中へと戻った。

中では床に倒れているナギとソファーでくつろぐギンがいた。

センリはため息をついた。


「また喧嘩したんだ？夕べと同じ光景なんだけどコレ」


「そんなんじゃねえよ」


「毎日飽きないな。ほら、ヒオリにちゃんと謝って。二人のせいで死にかけたんだよ」



センリが私を前に引き出すと、ギンは頭をかきながら謝罪した。

顔は真面目な顔だった。



「すまなかったな。悪ふざけが過ぎて」


「・・いえ・・」



本当だよ！ていうかふざけてたの！？本気に見えたけどね（怒）


内心は全然許せていないが、形だけは許す事にした。


センリが倒れているナギを起こす。



「ナギ、お前も謝って」


「は？俺は何もしてねえ」


「昨日の事もあるだろ」


「・・謝る必要なんかない。俺はその女が嫌いだ」



グサリ。

ストレートに言われるとショックを受ける。

生理的に受け付けない感じなのだろうか？

私の存在を丸々否定している。

出会ったばかりでお互い何も知らないのに嫌われるなんて。

でも生きていれば、そりの合う人合わない人なんて沢山いるもんね。

気持ち的に解らなくはない。

だって今は私もキミがキライだよ。


「ナギ・・ごめんね」


「・・・？」


ギンもセンリも何故私が謝ったのか解るわけもなかったので、きょとんとした瞳で私を見ている。


「本当にあなたにとって私は生理的に受け付けない存在なのかもしれないね。
なるべくあなたの目線に入らない様にしてみるから。もう関わらないし」


「は！？ばっかじゃねえの！？」


ナギはそう言葉を投げつけ、自分の部屋に入っていった。


「え・・」


振り返りざまに見たナギの表情が何故か、とても辛そうだった。

捨てられた子猫みたいに見えた。

鳥だけど。