あまりの驚きに、目を見開いて硬直した私を見てギンとナギは首を傾げる。


「どうした?」


「あ、え、あ・・」


と言葉が出ない私にツムギさんはもう一度耳打ちする。


「冗談です」


「え・・」


なんだ嘘か。

びっくりした。

自分がそうだから余計に驚くよ。



「もしよかったら明日紹介します。明日来る予定なので。皆さま明日はお急ぎで?」


「・・いや、急いではないが。正直この国の人間と関わりたくない」


ギンは警戒心を解く気配はない。

職業病か。

私の知っている家でのギンではなかった。

それほど真剣になってくれているからなんだろうけど。


「あ、それは大丈夫です。その方はこの国の人間ではないから」


「そういう意味じゃないんだけどな。どうする?」


「俺はどっちでもいい。ヒオリといられれば」


「わ、私は・・ギンにお任せする」


どうすることも出来ないもんね。

ギンが一番頼もしい状況だ。


「ふむ。ま、明日いきなり発つ訳でもねえし。世話になってるからな」


「そう言ってもらえて嬉しいです。決して南の国の者ではありませんので安心してください」


そう言われてもギンは一向に警戒心を解く事は無かった。