「ちょっと訳アリで・・」


とつい口走ってしまった私。

ギンは言うなよっていう顔してた。

気づいたころにはもう手遅れってやつです。



「訳?知りたい!そういえばバッチの事も知らなかったわよね?東の国ではバッチは付けないの?」


「あ、あう・・」


水を得た魚の様に激しく、マシンガントークのツムギさんだ。

私は固まってしまった。

ギンは残念そうな顔でそっぽを向いてしまった。

助けてはくれないみたいだ。

困った顔の私を見て、ナギが仕方なくフォローする。


「東ではつけない。ヒオリはちょっと特別。男っぽいから」


なんという言い訳だ。

通用するのかソレ。


「え?男っぽいと城にすら上がれないの」


「え、ええまあ」


「まぁ・・」

ツムギさんはナギの嘘をそのまま受け取ったようだ。

なんて純粋なんだこの人は。