私は雑念の塊だからな。ハハハ。


と残念がっている私。

その横ではギンが真面目な顔してツムギさんを見ていた。

睨んでいたが正しい表現かもしれない。


「率直に聞くが、あんたは他の国から情報を聞き城に伝える係なんだろ?」


「え」


ドキン。


急になんてことを話すんだこの人。

唐突過ぎて唖然としてしまった。

ナギを見ると、いつも通りの顔をしている。

と言う事はギンはこれが普通って事?


「観光客を見つけては、国に報告する。違うか?」


「ちょ、ギン」


あまりにも真剣だったので、私は止める事を躊躇した。

するとツムギさんは平然そうに頷く。


「どう思われてもいいですよ。そう受け取ってもらっても構いません」


「へぇ」


ツムギさんは肝が据わっているみたいだ。

ギンの鋭い目つきを見てもびくともしていない。


「お話をしてくださらないのなら、今から出て行っていただくだけですし」


「まあ、そうだな・・それはそれで困る。」


「フフ、用心ぶかいですね。兵士さんか何かですか?」


「もう違うけどな」


「あら、当たりましたね」


とツムギさんは余裕綽々で楽しそうだ。


な、なんだこのやりとり。

私には緊張感しか伝わってこないんだけど。