センリはゆっくり私を地面に降ろすと、鳥の姿から人間になった。


「あ、そうだ。良いものをあげるよ」


「え?」


そう言ってセンリは私の腕に腕輪をはめた。


「たぶん動くとは思う」


ほんのりと緑の光が腕輪から光った。


「翻訳機みたいなものだよ。俺達は使う機会なんてないから結構古いんだけど」


「え!?凄い!」


「脳を通して俺達の言葉がわかるしくみになってるんだって」


「へえー」


テクノロジーは失われた訳じゃなかったんだ。

あんまり使われてないだけかもしれない。



「後は相手も同じ翻訳のチップがあるからそれを体に入れるだけ。ギンとナギにはそれを使ってもらう」


「センリは?」


「理解できるから必要ないだろ」


「そか」


翻訳・・これで少しは精神的に楽になれる・・ハズ。


「凄いねセンリ!」


「え?俺は何も。作ったのもだいぶ昔の人間だし」


「だって思いついて何処からか持ってきてくれたんでしょ?私・・嬉しいです。ありがとう」


深々とお辞儀をした私を見て、センリは頬を掻いた。

照れくさそうだ。


「ん。まあ、お前にというか、昔の事に興味があるだけ・・だよ俺は」



初めから紳士なんだよね、そのさりげなさが。

モテそうだな。この人は。

あの二人と違って。

私の直感がそう言っている。