「とりあえずお前のその恰好をどうにかしないとな」


「え?」


「目立ってしょうがねえぜ」


確かに。

真っ白で金があつらえてある豪華な和装。

誰だって振り向くほどの高価な逸品だ。


「これ一億だって言ってた」


「一億!?やべぇ・・」


ナギの口からよだれが出そうになっていた。


「捨てたら場所もバレるだろうし・・この街で適当な服買ってくるからちょっと待ってろよ。ついでにその服入るバッグとかも買ってくる」


「それしかないか」


「動けないんじゃ意味ねえし」


私は納得して座り込んだ。


「ナギ、ここを頼んでもいいか?」


「あ?もちろんだ。骨痛いし」


「ったく、こういうときは痛いとほざく」


「いいから行けよ」


ギンは呆れた顔をしつつも、少し楽し気に歩いて行った。