座敷の煙が少なくなるころ、王は私がいないことを確認する。


「ヒオリ・・」


しかし、建物の周りは完全に兵で固めている。

そう簡単には逃げ出せるハズはない。

一体どこに・・。



「トキワ様!」


「センリ、ヒオリを攫われた」


「すぐに追いかけます」


「・・・。」




俺の失態だ!!

センリは焦っていた。

王を怒らせる訳にはいかない。

ギン達の仕業。

それは解っている。

ならば空に逃げるハズ。


とセンリは鳥に変貌し、空へ舞った。


「どこだ・・ギン・・ナギ」


と見回すがそれらしきものは見当たらない。