と、その瞬間だった。


ボムッ!!!


と大きな音と共に白煙が舞った。


「何だ!?」


「何も見えない!」

と同席していた国の幹部たちはざわめいた。



何!?何が起きたの!?

私も慌てて周りを見回すが、真っ白で全然見えない。



「襲撃だ!皆の者、慌てるでない。来るとは思っていたが・・大胆な」


とわかっていたようにトキワ様は立ち上がる。


「急ぎ、この白煙を吹き飛ばせ!」


「はは!」


ボムッ!!

ボボンッ!!



と左右から次々に煙が舞う。

瞬く間に部屋が真っ白になり人の影すら見つけることが出来ない。


「ごほごほ・・トキワ様っ」


と手探りで周囲を探すと、誰かの手を握る事が出来た。


「トキ・・ひゃっ!!」


その手は私を引き寄せ、抱きかかえる。


誰!?

トキワ様と違う匂いがした。



(こっちだ!早くっ)


と小さな声が聞こえ、その人は私を地下へ攫って行った。

私の座布団の下に丁度人が入れるくらいの穴が開いたのだ。

誰かが最後に床板と座布団を戻し、まるで神隠しにでもあったように私の姿だけが消えた。