祝い酒をみんなで分かち合っていると、奥から誰かがやってきた。

トキワ様は気配ですぐに気が付いた様だ。


「センリ。遠くからごくろうだったな」


「只今もどりました」


それは東の国で仕事をしていたセンリだった。


センリは私の様子を見て、ホッと笑顔になった。


「ヒオリ、よく似合っているよ」


「あ・・・ありがとう」


なんだかセンリに言われると変な気分になる。

これはなんの気持ちだ?

モヤモヤするけど、わからない。



「この晴れ姿を見る為だけに帰ってきたんだ。本当に綺麗だ」


「センリ・・」


なんだ?

笑顔の奥に、憂いを感じるのは私だけ?

その笑顔嘘っぽいなーって思うんだけど。


「これからはトキワ様を支えるパートナーとして、頑張るんだよ」


「パートナー・・」


そう。

そうだね。そういう事になる。

私は王の花嫁になったんだね。


ズキン


「あ・・」


また頭痛が襲ってきた。

シズクちゃんにもらった薬の効果が切れたんだ。