それから五日経った。

着々と祝言の準備は進んでいた。

西の国は平安時代に近いかもしれない。

ギラギラしていないし、平屋も多いし。

今日は祝言が行われるという神社に来ていた。

和風な婚儀だ。まさか自分がこんな神聖な場所でお嫁さんになる日が来るなんて。


「うう・・痛い」


私はあまり体調が良くなかった。

最近頭痛が酷い。


薬湯を飲まなくなったせい?

でもシズクちゃんが頑なに拒むから、何故か信じたい気持ちが強くて。


「ヒオリ、おいで」


とトキワ様に呼ばれ、儀式を教えてもらう。


「ここで、神酒を飲む」


「お神酒ですね・・」


「そうしたら晴れて私とヒオリは夫婦だ」


「め・・夫婦」


カアア///


なんだか慣れない響きだ。


「楽しみだな」


「はい・・」


トキワ様はいつも私に優しくしてくれる。

それが私は嬉しくて。

これが幸せ以外の何だっていうの?



遠くで私達を見つめるシズクちゃんの視線が気になった。

切なそうな顔だ。