トキワ様はギン達が逃げる様子を確認すると、もといた場所へと戻っていった。

私をゆっくり下ろすと、ドラゴンから人の姿に戻った。


「トキワ様」


「もう大丈夫だ。あいつらは行った」



私はつい抱き着いてしまった。

心が締め付けられて、苦しかったから。

安心させてもらいたかった。

ぎゅうう・・っと。



「ヒオリ」


「トキワ様・・苦しいです。でもなんで苦しいのかわからない。あの人達は一体・・」


「関係ない。突然の事に今は少し混乱しているだけだ、時期に治る」


「は、はい」



私は不安がいっぱいで今にも押しつぶされそうな気持ちだった。


「私の目を見ろ」


トキワ様は私の顔を両手ですくい上げる。

綺麗なレモン色の瞳が私を見ている。


「私が守る。お前の不安から」



ほろ・・

と一滴涙が頬を伝う。

その涙の理由すらわからないけど、私はこの人にきっと救われているんだと思った。


「トキワ様・・」


「さあ、部屋に戻ろう。温かい飲み物を用意させる」


「ありがとうございます」


私はトキワ様に手を引かれ、自分の部屋へと戻った。