上空から、城に向かって王は声を上げた。



「曲者が忍び込んでいる!全警備兵!配置へつき怪しいものを捕らえよ!」


「やべぇ!!ナギ、逃げるぞ!!」


「でもヒオリは!?」


「捕まったら元も子もねえだろ!?大勢相手に勝てる訳ねえ」


「ギン、こっちよ!早く!」


ギンとナギは鳥の姿になると空へ飛び立ち、カサネが導く大木の陰に身を隠す。


「くそ!絶対許さねえ!」


「ああ、絶対だ!!」


二人の心は結束した。


遠くに見える王と私の姿を見ながら、後ろ髪を引かれる思いで逃げて行った。