何?と思った瞬間と同時に懐かしい響きが頭を締め付ける。


「う・・っ・・」


私は頭を抱え、よろけた。


「ヒオリ?大丈夫か?」


「はぁ・・はぁ・・」


トキワ様が心配そうに私を見つめる。


「頭が・・痛いです・・何か・・変なんです」


「落ち着け・・」




ナギ。ギン。

知っている気がするのに思い出せない。

なんで?


遠くで心配そうに見ている二人の顔を知っている気がするのに。


思い出せないのはなんでなの?

考えると頭が痛い。

どうして?


「う・・助け・・トキワ様っ」

「!」


私が眉をしかめ訴えると、トキワ様は突然私を抱きあげ空へと飛び立った。


「何!?」


「待て!!ヒオリを返せーー!!」



遠くで叫ぶ声が聞こえる。

でも私は自分の事で精一杯で震える身体を抑えた。

トキワ様に身を預けたまま。



「安心しろ。時期に治る」


トキワ様はそう言ってドラゴンの姿に変わり、空を飛んだ。