王はギンとナギに対し、怒りながら口を開く。


「ヒオリが怯えているのがわからないのか?その刃物を早くしまえ」


「て、てめぇ・・ヒオリに何をしやがった!!」


「何も」


「嘘つけ!!そんな風になる訳ねえだろ!?」


「トキワ様・・」



ギンとナギはたじろいだ。


私がトキワ様の袖をつかみ、後ろへと怯えた様子をしたから。


すでに私は完全にギン達の存在を忘れ切っていた。



「なんなの?あなた達・・怖いよ」


「ヒオリ!!俺がわからないのか!?」


「ヒオリ!!」


そう訴えられても私には恐怖でしかなかった。

刃物を突き付けられているから。



「トキワ様・・怖い」


「大丈夫だ。私がいるだろう」


「ふ・・・ふっざけんな!!!トキワ!!ぶっ飛ばす!!」



逆上したかの様にナギは刃物を振り上げた。

が、


「馬鹿やめろ!!ナギあぶねえっ」


「るせえ止めんなギン!!」


ズキン