私が景色を眺めていると、トキワ様は後ろから包むように抱きしめた。


ドキン・・



「ト・・トキワ様」


「ああ、一日中こうしていたいな。お前といると穏やかな気持ちになれる」


「そんな・・それは私です・・トキワ様って凄いです」


「ん?そうか?」


本人は至って普通らしい。



私からすれば国を束ねる王にこんなことを言われるなんて信じられない。

光栄すぎる。

胸がドキドキと高鳴って苦しいくらいだ。



「ずっと一緒にいたい、お前とここに」



昨日ゆっくり決めてくれればいいって言ってたけど、もういいかなとさえ思えた。

この人といると本当に穏やかで、時間もゆっくりに感じるんだ。

きっと慌てることのない生活がおくれる。



「はい・・あの・・私も」


「ヒオリ・・そんな事を言われると抑えがきかんぞ」



背後から顔がゆっくりと近づいてくる。

頬が触れ合って温かなぬくもりを感じる。


「ヒオリ・・」

「ん・・」


私は応えるように目を閉じ、トキワ様のキスを受け入れた。