全然道はわからない。門番が右から来たのを見たからとりあえず右に向かうけど。


牢屋って事はやっぱり地下とかにあるんだろうか?

地下へ通じる道なんて何処に?


必死に走っている私の後ろを門番は追いかける。


「ヒオリ様、お待ち下さい!」


だから待たないっての!!


重い羽織を一枚ずつ脱ぎ捨ててゆく。


ある意味まきびし効果がありそうだ。


門番は着物を踏まない様に避けて走っている。


人間の姿で良かった。


しかし、次の瞬間。



バサッ!!

と羽の音がしたかと思うと、上からセンリが降りてきた。

鳥の姿でギロリと睨まれる。


「!!」


「ヒオリ。やめろ」


私は肩を掴まれ拘束された。