私がシズクに連れられて廊下を歩いていると、慌ただしい様子の兵士達を見かけた。


「牢にいる男の一人の容体がおかしい。すぐに医師の手配を」


「畏まった」


え?今、なんて?

私はその声に振り返る。


「肋骨が折れているらしく、危険な状態だと伝えろ」



もも・・もしかして・・ナギ!?


嫌な予感に、私は血相を変え兵士の前へ駆けつける。


「ねえ!肋骨が折れている人って!誰!?」


「これは・・ヒオリ様」


「教えて!誰なの?」


物凄い剣幕だったのかもしれない。

たじろいでいるから。



「お教えすることは出来ません」


と言う事はやっぱりナギだ!この城に捕まっているんだ!


「それが答えだね?私をそこへ連れて行って!」


「で、出来ません。失礼いたします」


と兵士達は逃げようと歩き出す。


「ちょ、待ちなさい!連れて行ってよおおっ」


と袖をつかんで離さない私は必死。

シズクちゃんは何が起きているのか理解出来ず、オロオロとしていて様子を伺っている。