私が感情的に枕を殴っていると、部屋の外から声が聞こえた。


「姫様。今よろしいでしょうか?」


はい?姫?

部屋間違えていませんか?



「・・・あの?」


と返事をすると、つつましやかに廊下に座っている女の子が部屋に入ってきた。



「失礼いたします。今日から姫様のお世話をさせていただきます。シズクと申します」


私は急いで涙をしまって、返事をした。



「あの、お部屋間違ってませんか?姫ではないんですけど・・」


「え?うそ!?ここやって聞いたのに・・」



と慌てているシズクはまだ7才といったところか。


「私は姫じゃなくて、ヒオリです」


「あ、なんや・・そういう事ですか。あ、失礼いたしました」


急いで綺麗な敬語に戻った。


「ヒオリ様の侍女として、今日からよろしくお願いします」


「え?そうなの?」


「はい!」


と、目をキラキラ輝かせている。


か、可愛いじゃねーですか。


ちょっとだけ元気をもらった気がする。

単純な私。