「更に、トキワ様は特殊な体質で・・この時代の普通の女性では御子をなすことは出来ない」



そんなの知らないし、私には関係ない事だと思うんですけど。



「あの方は龍。神にも近い存在の方。俺達一般種族とはわけが違う。
ピュアな人間を必要としてらっしゃる」


は?

ピュア?

心がって事?

それを言ったら私は雑念の塊ですけど。



「何の種族とも交わっておらず、血を受け継がせる事が出来る者。それを研究するうち、時空転送へとたどり着いたんだ」


「そ・・・そんなの」



私は落胆した。


なんだ、この人も東の王と同じだったんだ。


エゴの塊みたいな。


そう思った時、涙は止まった。