私は言われるまま、身を清め、正装される。

和服だ。

この時代にも残っていたなんて。

まるで十二単の様に重い和装に身を包み、私は城にある部屋へ入れられた。


どうやら王の部屋は隣らしい。

東の国は洋風の部屋が多かったが、西の国は和風テイストらしい。

新しい畳の匂いがした。



「ヒオリ」


王に名前を呼ばれる。


「こちらへおいで」



たぶん、トキワは東の王と違って基本的には、優しくおおらかだと思う。

あくまでたぶんだけど。


言葉遣いも丁寧だし、無理やり腕を掴んだりはしないから。


でも、簡単に人を殺せるもの知っている。

目の前で東の王が殺されたのを私は見ている。