ズルりと気持ち悪い音がして、王の身体から引き抜かれたのは・・・



「白い・・・ドラゴン・・」


巨大なドラゴンのしっぽだった。


「き・・・さま・・は」


口から血を吐き、王は唸った。



「西の・・・王・・・」


そう言って、王は私の横に倒れ息を引き取った。



「え?・・え?・・・?」


突然何が起きたのか、私には全然理解出来なかった。


ただ、横に倒れている王はすでに息がないという事だけ。


何度も何度も脳裏に浮かぶ一瞬の出来事。


ぐっさりと刺された王の血のぬくもり。