「もとの部屋に帰してください」


「お前・・」


その言葉に驚いている様だった。


「この俺がワザワザ近くに置いてやると言っているのに」


「あなたはナギを苦しめたかっただけでしょ。私を使って。本当に最低」


ああ、わたしって馬鹿なんだよね。

今更なんだけど、短気かもしれない。

でもこういうやつ嫌いだからつい反抗しちゃうんだ。


後悔しても遅いんだけど。

本当に殺されるかもしれない。


王は私の首に手を添えた。


「死にたいのか?」


「死にたくないに決まってるでしょう!?」


半分やけだ。


「私は解って欲しかっただけだよ。貴方に・・」


「何をだ」


「この世界を良くしたいなら、独りよがりじゃダメだって」


「・・・」


「生きてる人、皆の力を借りないと良くなっていか・・」


私がそう言い切る前に、王は私を倒すと上に乗ってきた。

きっと首を絞められる。

本当におしまいかも。



もう、腕に力も入らないよ。

もういいや。


「・・私はこんな世界に未練はない。どうぞ殺してください」


「お前・・」



こんな時に楽しかった皆との思い出がよぎるなんて。

短い間だったけど、すごく温かくて幸せだったと思えるなんて。

ごめん。皆。