王は私の頬に手を当て、ジッと吟味する様に覗き込む。

王の手は氷の様に冷たい。


「相手がこの俺だというのに、よくも歯向かってくれたな」


「・・・」


私は恐怖と戦い、睨むことしか出来なかった。

王はニヤリと笑う。


「そんなに睨まなくても殺しはしない。今はな」


今はですかーーーー!!!

まるでこいつの手中に治まっている感じだ。

悔しさがこみ上げてくる。


「っ・・」


耐えられず目を逸らした。


「言ったろう?イザナギの前で、お前が俺の言う事をなんでも聞くように調教してやると」


ドキン


「悪趣味ね」


「減らず口を」



なんでこの人はこんなに人を思い通りにしたがるのだろう?

その偉そうな目を目潰ししてやりたいわ。

顔はナギにそっくりのくせに。

中身は全然似ても似つかない!!