「・・・ん」


私はあれからどうなってしまったんだろう?

ゆっくりと目を開けると、自分が今ベッドで寝ていたという事がわかった。

正しくは王のベッドで寝かされていたみたい。


「ドラゴン・・」


天井に描かれていたのは龍だった。

まるで日光東照宮にある鳴き龍みたいに大きな龍。

墨で描かれた龍は大迫力だ。特に目が恐ろしい。

生きているみたいだ。


「それは神龍だ。ただの龍ではない」


と声がして、私は飛び起きた。


「あ!いっ・・たた」


頭がぐわんぐわんと酷い痛み。そして眩暈もする。


「あなた・・」


隣に座り私を見下す男。

それはにっくき王だった。


「ナギは・・」


「ああ、肋骨が折れて今治療している」


「え!?」


「お前、人のことより自分の心配をしたらどうだ?」


確かに。

私にも余裕はない。

この男はいとも簡単に私を殺せるだろうから。