私が城で絶対絶命を迎えている同時刻。


ギンはようやくセンリを探し当て、私とナギの事を伝えていた。

話は進んだが、二人は睨み合ったまま動かなかった。

手に汗を握っている。


「なんで、わかってくれねえ。センリ」


「お前こそ何故わからないんだ」


二人とも自分の考えに頑固一徹だった。


「何度も言わせるなよ!俺が手柄を立てればヒオリを連れて帰れるってのに!」


ギンは私が王に捕まっている事など知らない。



「それはやり方が違う。国を変える為にも解放軍は解散しては意味がないんだ」


「じゃあヒオリがどうなってもいいってのか!?」


「だから俺に協力してくれってこの間も言ったろう!」


「俺に仕事失えってか!?積み上げてきたキャリアを!」


「ああ、そんなもの。鶏のエサにしろ!」


グルルルルッ


ふたりとも鳥に変身するくせに犬の喧嘩の様に唸っている。


「惚れてる女を助けたくねえのか!?」

「惚れた女を助けたくないのか!?」


と見事にハモった。