「ヒオリを見たぜ」


とギンはボソリと呟いた。

それに対しナギは敏感に反応する。


「!?」


「女らしく綺麗に着飾っちまって。全然似合ってなかったわ」


「・・・くそっ」


ナギは悔やんだ。


「なんでこうなった」


「・・・街で・・警備兵に捕まった」


「んなことは知ってる」


「解放軍の取り締まりで、センリと離れた時に」


「守り切れよ馬鹿」


「るせぇ・・そのつもりだった」


とナギは俯く。


悔しさで歯を食いしばったのか、唇が切れていた。