ギンは即刻、地下牢へ向かった。


薄暗く、罪人はそれほどいない。古い地下牢だ。

入り口にいた兵はギンを見つけお辞儀する。



「これは・・ギン隊長」


「王子にご挨拶を」


「は・・しかし今は・・」


と警備をしていた兵の顔が歪む。


「いいから。あ、ついてこなくていいぞ。ほんの挨拶程度だから」


「ははっ!かしこまりました」



と、兵に告げギンはナギの牢へと向かった。


「・・・いた」


という言葉にナギは反応した。


「・・なんだよ。笑いに来たのかよ」


「うわ、口悪い王子だな」


と思わずぼそっと口走った。

ナギは身体中グルグルとロープで巻かれている。

ギンはワザと大きな声で言った。


「初めまして、わたくしはギン。この国の全警備隊隊長を務めております」


「・・・」


知ってるわボケなす野郎。とナギは睨んだ。


やってくれたな役立たず。とギンは睨み返す。