ギンは一人、上司のもとへと向かう。


「上官殿。噂で王の弟が見つかったと聞きましたが」


「ああ。喜ばしい事だな」


「その王子は何処にいらっしゃいますか」


「なんだ突然」


「いえ、是非ご挨拶をさせていただきたく」


「ふむ・・今は無理かも知れないな」


「え?」


「王子は抵抗が激しく、精神が落ち着くまで一度牢へ入っていただいてるそうだ」


「それは・・こまった王子ですな」



まあ、あいつの事だ。簡単には捕まってはねえだろうな。



「こちらも丁重に扱うつもりなんだが・・3人ほど既にケガを負わされた」


「それはそれは・・ますます興味が湧きました」


「まあ、お前も隊を束ねる者として挨拶くらいはしても許されるかもしれん」


「ええ、是非。」



ニヤリ。

と笑ってはいるギンだったが、内心は怒りで煮えくり返っていた。