「ナギっ・・はあっはあっ!もう・・無理・・っ」


「馬鹿!捕まったら終わるぞ!?俺もお前も!!」


そうだ。きっと二人で捕まったら私も女だとバレる。



「それは嫌!」


「だろ!?頑張れ!」



口から血を吐きそうなくらい辛い。

横っ腹も痛すぎる。

久しぶりに走ってる。しかも全速力。



「あの男、足はえぇな・・くっ・・飛んで逃げるしかねえか」


だがナギは躊躇した。

自分が鳥になるには一度私の手を放す必要があったからだ。



「ヒオリ、一度手を・・」

「あ!ナギ!!」



ナギが私の方を振り返った瞬間。

前から警備隊が走ってきた。


ドンッ!!!


正面衝突をした。

一瞬の出来事だ。交わす余裕はなかった。