パスタにサラダに、おつまみの小魚なんかを用意しながら私はギンを出迎えた。


「おかえりーギン、今日は遅かったね。ナギは先に食べちゃったよ」


「おう・・」


私にはギンが元気が無いように見えた。

顔つきが暗いというかグッタリと疲れている様に見える。

それとも昨日の事をまだ引きずっているのだろうか?

私なりに気を使ってみた。


「お酒、飲む?」


「・・あー・・いや、ちょっと食欲がねえ」


「えええ!?」


つんざくような声で私は驚いてしまった。


「ど、どどど・・どうしたの!?具合悪いの!?」



仕事から帰ってきてお腹減ってるハズなのに。

ギンの返事は素っ気なかった。


「んー。まあ、仕事疲れた」


「そ、そっか・・お疲れ様です」


ちら。

私の顔を横目に見て、ギンは城にいた女達を思い出す。

キラッキラの衣装を身にまとって、自分にすり寄ってきた。

50人も。

そして額を抑える。

「あ、駄目だ・・ちょっと寝る」


「え!?ギン・・」



ギンは自室にこもった。


モヤモヤとムラムラを発散する為に。


そんなの私にはわかる筈もない。


「珍しい。というか、変?大丈夫かな?」


ちょっと心配になった。