「ギン、こちらへ」


「へ?俺ですか?」


上官に言われ後をついて行く。


「陛下がお前の功労に対して、今日は特別に城の内部を見せてくれるそうだ」


「な・・いいんですか?俺なんかが・・」


「これを見てやる気を出してもらわんとな」


「はあ」


「正直、解放軍は政府にとって脅威だ。いままでそんな事態にならなかったからな」


「無礼を承知で申しますけど、王政のやり方がいささか・・いえ。なんでもありません」



ゲスいのでは?

と心の中で言った。


「ふむ・・・」


と上官殿。


「我々は従わねばならん。それが任務というものだからな」


「・・そうですね」


と口では言ったが、本音は違う。


上司殿は奥さん、貰ってますもんね。

あーうらやま。



と上司の後へついて廊下を歩く。

すると奥へ続く大きな扉が現れた。


ごくり。


センリ、一足先に見させてもらうぜ。