休憩中、ギンはイタルと出入り自由の庭で昼食を取っていた。

別にセンリに言われたからじゃないが、もともと気にはなっていた。王政府のやり方も好きじゃない。

いつも飲んでるお気に入りの缶コーヒーを片手にギンは空を見上げる。



「なあ、城にいる女達って・・今どれくらいなんだろうな」


「さあ?お前そんな事気になってんの?」


空の雲が怪しい。黒い雲が近づいてきている。

イタルは食後のタバコに火をつけた。


「イタルはどうなんだよ?街には役目終えた女しかいないだろ?」


「まあ・・な」


「俺達には回ってこないって寸法なのかね」


「いやいや、手柄上げればいいんだって。解放軍を捕まえてみろよ、きっと選び放題だぜ?
お偉い上官殿が褒美くれるんじゃね?」


「ハハ、そんなの夢のまた夢だな」


「夢はでっかく持とうぜ~」


「イタルはいいな。ポジティブで」


「普通だろ。俺だっていつかは嫁さんもらいてえし、目標がないとやっていけねえだろ?」


「まあ、確かにな。俺もいつかは・・」


ふと脳裏に浮かぶのはヒオリの顔だった。

昨夜センリの部屋から出て来た様子を思い出してしまった。

ズキリと鈍い痛みが胸を襲った。



ちっ・・嬉しそうな顔しやがって。



ゴロゴロ・・

と空が鳴った。


「うわ、雷か。中入ろうぜ」


「おお」