「ギン隊長?」


「あ、おお・・すまない」


イタルに言われ会議中だと我に返る。

進行役がギンの心がここにあらずだという事に気がつき少し怪訝そうに聞いてきた。


「ではここ一か月の国境の状況を説明お願いします」


「ええ。北の国境は問題なし。西との国境も問題なしです。南も問題なし」


「では、続けて解放軍と名乗る族について、お願いします」


「動く気配はありませんが、着々と人数を増やしている模様です。おそらく一個旅団並みの兵力が整い次第動き出すかと」


「ふむ・・」


皆、資料を見ながら唸る。


「野蛮な奴らだ。動き次第こちらも全部隊で迎え撃つ。準備を怠らない様に」


「はい」




思った通りの展開になりそうだ。マズイな。センリのやつ、馬鹿な真似しなきゃいいけどよ。

とギンは顎を撫でた。


「街に滞在していると思われる族の取り締まりを強化する。今日から隊員を増やし怪しい物を見つけ次第、取り締まれ」


「は。」


「失敗は許されない。早急に解散させるように」


「心得ております」


深くお辞儀をし、内心ではメンチを切っていた。


言うは易し、行うは難し・・。

たまには自分で動いてもらいたいもんだ。

と心の中で上官へ文句を吐いた。

あくまで心の中で。