私は押しに負けた。

大切にしたいという想いを無下に出来るわけがない。

話は終わり、センリと一緒に部屋を出た。



パリン。


出た瞬間に何かが割れる音がした。


「ちょ・・え・・おい・・」


それはギンだった。

手元が狂ってグラスを落としてしまったらしい。

何故かというと、私がセンリの部屋から出てきたから。

しかもそれだけじゃない。


「てめえ何してた!?」


「え?何も・・」


「嘘つけえええ!!」


と会うなり発狂してきた。



「何、ギンうるさいよ」


「お前のその顔だ!」


「え?」


いたって普通だ。自分的には。


「ハートが飛び交ってるんだよ!!目もハートだし」


「は、はあ?全然意味がわかんない」


たしかにちょっと頬は熱いけど。


すぐにギンはセンリにメンチを切った。


「センリぃいいい」


「なんだよ。しょうがないだろ。好きなんだから」



!!!


クリティカルヒット。

ギンの顔が真っ青になった。


「しょ・・しょんな・・」


へなへなとまるで漫画みたいにしぼんだ。


「俺とヒオリは両想いなんだ。今後は邪魔しない様にな」


「は?なんだそれ」


と啖呵を切ったのはナギだった。

そしてナギは私を睨んだ。


うおお、目で訴えてくる。

前に誰ともくっつかない宣言したからな。



「ちょ、ちょっとまって・・あのセンリの事好きだけど・・その・・付き合う訳じゃないし」


「え?そうなの?」


とセンリは驚く。


うおっ

どっちに転んでも痛いわ、私。